相続対策について

相続と生産緑地について

皆様は、生産緑地という言葉をご存じでしょうか。

以下、静岡市のホームページからの引用です。

生産緑地とは、市街化区域内にある農地等の農業生産活動に裏付けられた緑
地機能に着目し、公害又は災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全に
役立つ農地等を計画的に保存し、良好な都市環境の形成を図る地区です。

今回は、この生産緑地について相続と絡めてお話をしていきたいと思います。

内容は大きく分けて、以下の項目に分類されます。

  1. 生産緑地であることのメリット・デメリット
  2. 相続から見る農家さんにとっての生産緑地
  3. 実は農家さん以外にも大きく影響のある生産緑地の今後

自分は農家ではないので関係無い・・・という方、③だけでも読んでみてはいかがでしょうか。もしかしたら何かの役に立つかもしれません。

1.生産緑地であることのメリット・デメリット

言葉の意味としては冒頭の引用部分にあるようなことなのですが、実際には農家さんが農業を続けていくうえで生産緑地という制度がすごく重要になる場合があります。

そもそも、良好な都市環境の形成を図る地区、ということであればすでに市街化調整区域という区分があります。なぜ、わざわざ生産緑地という言葉ないしは区分があるのでしょうか。それは、簡単に言えば農地の保有に対する税金(固定資産税)が大きく関係しています。

「三大都市圏の特定市の市街化区域農地」は、「宅地の負担調整措置(いわゆる宅地並み課税)」が適用されます。三大都市圏の特定市とは、首都圏・近畿圏・中部圏にある政令指定都市及び既成市街地であるため、ここに静岡市も入ります。

前提として、一般農地に該当すれば固定資産税は【千円/10a(1a=100m2)】となり、通常の宅地の固定資産税と比較すると大幅に低い固定資産税が課されます。これが、三大都市圏の特定市の市街化区域農地である場合の固定資産税は【数十万円/10a】となり、土地を保有する費用が農業を続けていくうえで大きな障害となってしまいます。
(※注 比較のため数字は簡略化してあります)

そこで、宅地並み課税とされてしまう農地については、生産緑地に指定することで一般農地として扱うことが可能となり、固定資産税が大幅に減額されます。

これが、農家さんが生産緑地の制度を利用することの大きなメリットです。

生産緑地制度を利用するメリット

農地を「生産緑地」に指定することで、固定資産税が大幅に減額される

反対にデメリットとしては、固定資産税の恩恵を受けることが出来る代わりに様々な条件が課されることで、そのうちの一つが30年間営農を続けなくてはいけなくなることです。
他にもいくつか条件はありますが、こと相続においてはこの縛りが特に負担となるケースが出てきます。この部分については、次の項目で詳しく見ていきます。

生産緑地制度を利用するデメリット

農地を「生産緑地」に指定することで、30年間営農を続けなくてはいけなくなる

2.相続から見る農家さんにとっての生産緑地

生産緑地の制度を活用することで、こと営農については大きなメリットがありそうです。それでは、相続の場合はどうでしょうか。

相続評価において、細かい要件があるものの5~35%の減額が可能です。ただ、市街化に存する農地である場合にはそもそもの相続評価額が高くなるため、この減額をもってしても相続税の計算において税額が大きくなってしまう可能性があります。

それでは、こんなケースはどうでしょうか。今後営農を続けていくうえで後継者が不在等の理由により、相続まで考えると今から土地活用を行い、収益物件を子や孫の代まで残していきたい。その場合、生産緑地の指定を解除しなければならないのですが、これには以下の3つのうちいずれかの要件を満たす必要があります。

  • 生産緑地の主たる従事者の故障
  • 期限の到来(30年)
  • 生産緑地所有者の死亡

これらの要件が生産緑地の解除に関わってくるため、例えば生産緑地を相続する相続人がその生産緑地の指定を継続するかどうかは大きな判断を迫られることになります。

もし安易に継続したとしても、例えばその土地を農業以外に活用しようと思ったときにそれが障害となってしまうケースが考えられるからです。

そして、解除の指定要件である期限の到来(30年)がまた大きなポイントとなります。

3.実は農家さん以外にも大きく影響のある生産緑地の今後

結論から申し上げますと、2022年(令和4年)に生産緑地法制定から30年が経過するため、日本の都市圏に存する農地が戸建てやマンション、商業施設の用地として大量に供給され、不動産の地価が下落するのではないかと言われております。

静岡市が旧清水市と合併して政令指定都市になったのは2003年(平成15年)であるため、静岡市では2033年(令和15年)にこの問題が大きく取り上げられるのではないかと考えられます。

生産緑地に指定されるような農地は、そもそも宅地転用などした場合にはその有効利用度が高く、元々の固定資産税や相続税が比較的高額であるということは今までの流れでご理解いただけたかと思います。

営農を続ける判断をされる方々も多くいらっしゃるとは思いますが、深刻な後継者不足や高額な相続税に悩む方がいるのも事実です。そうした状況では、現在の所有者が将来のことを考え生産緑地の指定を解除し、宅地転用や売却を視野に入れることは十分に考えられます。

実際に不動産価額が下落するかどうかという点で、確実に下がるとは言い切れないものの、こういった可能性を踏まえて不動産についてお話させていただく機会があります。今回は生産緑地のことを中心に書かせていただきました。

不動産や相続などは専門家にご相談することをお勧めします。

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