相続対策の3本柱といえば「分割」「納税」「節税」といわれておりますが、今回はその中でも分割と節税に効果のある不動産小口化商品についてお話をします。
不動産小口化商品の概要
不動産小口化商品とは、事業者が不動産を一口当たり100~500万円というように小口化して複数の投資家に販売し、その賃料収入から経費を引いて所有口数に応じて出資者に分配するというものです。
不動産投資を行う場合、通常ならまとまった投資額が必要となりますが、小口化した不動産であれば小額からの投資ができます。
今回は、出資した組合員が組合財産の持ち分を所有する任意組合型と呼ばれるタイプについてご説明します。
分割のメリット
例えば1棟のマンションを何人かの相続人で相続したい場合には、「売却して現金で分割」「共有で相続」といった手段をとらなければいけません。
しかし、複数の不動産小口化商品に資産を組み替えている状況であれば、口数を相続人の人数で割るなどが可能となり、分割がしやすくなるということが考えられます。
特に不動産を共有して相続するという選択は、その分割時は当人たちが納得したとしても、相続人のさらに子の世代達の間で揉める原因となる場合があるため、推奨される行為ではありません。
あらかじめ分割しやすい財産を所有しておくということは、分割において明確なメリットといえます。
不動産小口化商品の節税のメリット
任意組合型の不動産小口化商品に出資した場合、賃貸用不動産を所有することと同じ税務上の恩恵を受けることが可能です。
土地の相続評価額の算定根拠となる相続税路線価は、一般的には実勢価格の80%程度と査定されており、また、建物の相続評価額において使用される固定資産税評価額は実際の建築費の60%程度の査定となるのが一般的です。
今回のケースにおける出資は、1棟の賃貸用不動産の持ち分を所有することと同じであるため、上記の圧縮効果に加え、土地は貸家建付地評価、建物は貸家評価の減額が受けられます。
場合によっては小規模宅地の特例【貸付事業用宅地】の適用も考えられます。
これは、対象土地について200㎡まで50%の減額ができるというものですが、自宅の敷地がある場合などにはどちらを優先して適用するかなどにより状況に応じて得られる効果が変わるので注意が必要です。
富裕層が注目する理由
前述の相続対策になるということからも注目の商品ですが、他にも以下のようなことが考えられます。
- 不動産投資の経験が無くても、少額であるため気軽に試すことができる
- 幅広い分散投資が可能で、資産全体のリスクを軽減することができる
- 物件の管理のみならず、先々の出口戦略もプロ(販売事業者)に委ねることができる
これらの要因から、今後も関心を持つ方はますます増加傾向にあると思われます。
まとめ
今回は不動産小口化商品について、その概要やメリットをお話しさせていただきました。
みなさんの周りでも、アンテナの高い富裕層の方が実際に活用している事例があるかもしれません。
逆に見たことも聞いたこともない、という資産家の方とお話しすることがあれば話のタネにいかがでしょうか。
今後、機会があれば商品を選ぶ際のポイントや、実務におけるデメリットなどもご紹介していけたらと思います。
わからないところ、もっと詳しく知りたい方など、ぜひご相談ください。
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