本日のテーマは相続税の申告期限についてです。
相続税の申告期限について、以下3つの内容で説明していきます。
- 相続税の申告期限はいつまで?
- 納税及び申告をしないとどうなるのか?
- 納税資金の確保について
相続税の申告期限はいつまで?
相続税の申告期限は、亡くなってから10か月以内に相続税申告書の提出及び相続税の納税が原則です。
相続税の申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
例えば、1月6日に死亡した場合にはその年の11月6日が申告期限になります。
なお、この期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限となります。
相続税の申告及び納付までは、10ヶ月ありますが、この間にやるべきことがさまざまあります。
「思っていたよりも早く、申告納付期限がくる」と考えて、早めに準備することをおすすめします。
その理由は、相続税の申告期限である10ヶ月までに「しなければいけないこと」が多くあるからです。
亡くなられてから3ヶ月以内にすること
亡くなられてから、3ヶ月以内にしなければいけないこととして次の3つがあります。
- 相続人を確認すること
- 遺産状況を把握すること
- 相続放棄をする場合は家庭裁判所で手続きすること
被相続人が亡くなられた直後は、通夜や葬儀、四十九日法要などがあります。
お世話になった方や親族近隣の方への挨拶やお礼などもあり、四十九日まで慌ただしく過ぎていくと考えた方が良さそうです。
相続人を確定するためには、被相続人の生まれてから亡くなるまでの戸籍をとり確認していきます。
役所で戸籍を取ることができますが、時間がかかることもあります。
相続人が相続を放棄する場合は、亡くなられてから3ヶ月以内に家庭裁判所で申述することが定められています。
借金などいわゆる「負の遺産」を相続したくない場合は、相続放棄をすることによって借金の返済義務を放棄できます。
亡くなられてから4ヶ月以内にすること
被相続人が亡くなってから、4ヶ月以内にすることとして所得税の申告があります。
所得がある場合は、申告が必要ですので忘れずに申告していきたいです。
納税及び申告をしないとどうなるのか?
もし相続税の申告や納付をしなかった場合はどうなってしまうのでしょうか?
まず、申告期限を過ぎて納付した時は、「延滞税」が発生します。
延滞税は2ヶ月を目処に、税率が上がっていきます。
- 納付期限から2ヶ月以内・・・年「7.3%」または「前年の11月30日の公定歩合+1%」どちらか低い方
- 納付期限から2ヶ月超・・・年「14.6%」または「特定基準割合+7.3%」どちらか低い方
さらに、相続税が発生しているのにも関わらず申告しないままでいると「無申告加算税」が課されます。
- 税務調査通知までに自主的に申告した場合・・・5%
- 税務調査通知から税務調査を受けるまでに申告した場合・・・(50万円以下の部分)10%、(50万円超の部分)15%
- 税務調査を受けて申告した場合・・・(50万円以下の部分)15%、(50万円超の部分)20%
自主的申告した場合はまだ5%ですが、税務調査後になると20%となるのでその金額は大きいです。
さらに、申告したが財産を隠そうと隠蔽していた場合は35%、申告せずに財産を隠していた事実があった場合は45%の「重加算税」が課されます。
納税資金の確保について
納税については物納・延納・市街化農地をお持ちの場合は納税猶予など様々な方法がありますが、基本は全て預金からの一括での支払いです。
亡くなってから10か月以内に納税資金の確保が重要となってきます。
亡くなられた方(被相続人)に預金があればその預金を相続し、納税に充てることができますが、不動産を多く持っていて貯金が少なかったというケースも珍しくありません。
そのような方は急いで納税資金を確保する必要がでてきます。
納税資金を確保するには、次の3つが挙げられます。
・相続人が自己資金で支払う
・相続人が銀行から借入を行う
・被相続人の不動産を10か月以内に売却をする
自己資金で支払う以外はどうしても手続きに時間がかかります。
初めから納税額がおおよそ分かっていて、これだけ用意するというのが事前に把握しているならば、相続税の申告期限に向けて余裕をもって準備ができますが、事前に財産状況を把握できていないと、納税期限間近のタイミングで借入の手続きや不動産売却といったことになり兼ねません。
そして手続きを行うには、必ず「遺産分割協議書」の作成が必要です。
遺産分割がまとまっていないと協議書については作成することが出来ません。
そうなると今後の手続きも全て止まってしまいますので、亡くなってから10か月というのは家族との話し合い、税理士との打ち合わせ、納税資金の準備とやることがたくさんあります。
万が一期限を過ぎてしまうと加算税や延滞税といったペナルティが追加されてしまい本税(元の税額)が大きいとペナルティ分も膨れ上がりますのでお気を付けください。
自分に相続税がかかるかどうか、もしかかる場合には事前準備も含めて一度試算をしてみることをお勧めいたします。
わからないところ、もっと詳しく知りたい方など、ぜひご相談ください。
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